冬のファッションを楽しむ上で最も重要なアイテムのコート。素材、仕立て、シルエット、佇まい、そのどれもが重要ですが、内部の構造というもっとも静かで見えにくい要素についても忘れてはいけません。今回は僕が所有するブリオーニのバルカラーコートを2着を比較しながら、と 「裏地なし」 と「裏地付き」いう二つの仕立ての違いが、どのように着心地と印象を変えるのかを紹介していきます。
Brioni Balmacaan Coat

さて、こちらが今回比較に使う2着のコートになります。どちらも全く同じバルマカーンコートで色はネイビー、素材もカシミヤ100%となっています。唯一、裏地なしは少しオーバーサイズで、裏地付きはジャストと、サイズ感の違いがあります。まったく同じブランドの同じ形のコートだからこそ、比較としてより分かりやすくなるかと思います。
裏地なしコートの特徴

裏地なしのコートは副資材なども可能な限り省かれており、非常に軽い仕立てとなっています。それはつまり、生地そのもののクオリティをダイレクトに楽しめるという事になります。このコートの場合、カシミヤ100%の非常に軽い生地と軽い仕立てが合わさり、感覚としてはカーディガンを着ているかのようです。そして、柔らかいという事はより綺麗なドレープが生まれ、品の良い美しいシルエットを産みます。ただ副資材などがないことから、その分保温力という点はすこし乏しくなります。また、裏地がない摩耗もより起きやすいため、耐久性も少し低くなります。
裏地付きコートの特徴

裏地付きの仕立てはやはり王道であり、コートとしての存在感があります。副資材が使われている分より構築的で力強いシルエットを生み出すことができます。そしてやはり、保温力も裏地なしのコートに比べると高いです。また、裏地が使われている事により滑りが良く、着脱のストレスがありません。ただ、副資材を用いるという事はどうしてもコートとしての重さが裏地なしよりも現れます。その為、コートの着心地という点においては生地のクオリティもそうですが、何より仕立ての良し悪しが如実に現れます。また、素材そのものの柔らかさという点が少し覆われてしまいます。
佇まいの違い

さて、ハンガーにかけたものを比べてみるとこの様になります。同じバルマカーンコートでも印象がかなり違うと思います。裏地なしのものは見るからに柔らかさが伝わるようなドレープ感があり、対して裏地付きの物は力強いシルエットを保っています。着用時の体への吸い付きという点は裏地なしの方に利がありますが、裏地付きは重厚感と安定感があります。結論、方向性が違う二つのものとなっているので、一概にどちらが優れているとは言えません。
どちらがどんな人に向く?
実際のコート選びでどちらを選ぶべきかというのは目的によって変わります。勿論似た様で全く使い道が違うのでどちらも揃えてしまうのが一番かもしれませんが、いくつかポイントを抑えてみたいと思います。
とにかく軽いコートが欲しい
ドレープ感を楽しみたい
比較的温暖な環境で過ごす時間が長い
こういった方には裏地なしのコートをオススメします。裏地なしにする事で軽やかな雰囲気を演出できますし、地下や建物の中などを行き来することが多い場合、裏地なしのコートの方が適しています。
スーツなどフォーマルに合わせたい
比較的寒冷な環境で過ごす時間が長い
耐久性の高いコートが欲しい
こういった方には裏地付きのコートをオススメします。やはり裏地や副資材がある分暖かいですし、耐久性という点でも優れています。
繰り返しになりますが、どちらが秀でているというわけでなく一長一短なので、個人個人のライフスタイルに適したコートを選ぶことをお勧めいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。少しでも冬のコート選びの参考になれば幸いです。他にも色々な記事を書いていますので、よろしければお読みいただけますと幸いです。


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