Music
読み終わらない楽譜|ショパン「英雄ポロネーズ」に見るアーティキュレーションに関する解釈
ショパン《英雄ポロネーズ》Op.53の楽譜には、細かなアーティキュレーションが書き分けられています。しかし、自筆譜や初版を比べると、その記譜自体にも多くの違いが残されています。長年この作品を弾いてきたピアニストの視点から、「読み終わらない楽譜」の面白さを考えます。
ピアニストが実際に使っている、作曲家別・ピアノ楽譜の版の選び方
同じ曲でも版によって音が違う事があります。原典版と実用版は何が違うのか、なぜ作曲家ごとに信頼できる出版社が変わるのか。実際に作曲家別で使っている版を挙げながら、楽譜の選び方をお伝えします。
ピアノのゆっくり練習は楽譜の拡大コピーである 遅く弾く練習の本当の意味
ピアノのゆっくり練習とは拡大コピーを取って確認、修正する作業です。写っている物が、速く弾く時と同じでなければ意味がありません。どこまで遅くするのか、遅くして何を見るのか、そして後回しにしてきた難所にどう取り掛かるのかを、実際にやっている手順としてお伝えします。
譜読みが終わるのはいつか? 譜読みのコツと楽譜の”開拓”について
譜読みが遅いと感じている方の多くは、最初から完成形を思い浮かべすぎています。譜読みとは道を開拓する作業であり、歩き方を直すのはその後の別の作業です。譜読みの終わりをどこに置くか、最初の一週間に何をするかを軸に、実際の手順をお伝えします。
暗譜が難しいのは記憶力の問題? ピアノの暗譜と”地図”について
本番で暗譜が飛ぶのは記憶力のせいではありません。ピアノの暗譜には運動・聴覚・視覚・分析の四つの記憶があり、多くの方は運動記憶だけに頼っています。暗譜が飛ぶという現象を”現在地を見失う事”として捉え直し、譜読みの段階まで遡って考察します。
技巧の先にある音楽|リスト 超絶技巧練習曲「マゼッパ」に見る速度と音楽性に関する解釈
リスト《マゼッパ》の解釈について。この曲に書かれた速度標語は「Allegro」ただ一つ、しかし、この作品はしばしば過剰に速く弾かれ、技巧だけの曲と揶揄されがちです。ピアニストの視点から、技巧の代名詞とされてきたこの作品が本当に求めているものを楽譜から読み解きます。
言葉にならない声|ベートーヴェン「テンペスト」に潜む問いかけの構造に関する解釈
ベートーヴェン《テンペスト》。その通称は本人のものではありません。冒頭のアルペジオ、再現部のレチタティーヴォ、遠ざかる終楽章。
ピアニストの視点から、この作品を貫く”問い”の構造を考察、解釈していきます。
記憶のない懐かしさについて | ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」が醸すノスタルジーに関する解釈
知らないことのはずが、なぜか懐かしい。「亡き王女のためのパヴァーヌ」でラヴェルが描いたのは記憶ではなく想像された過去でした。題名の由来から、演奏者としての音色の作り分けまで解説します。
絶対音感は”魔法の耳”なのか|保持者が自分の「聴こえ方」を分析してみた
「絶対音感があれば音楽に有利」そう思われがちですが、保持者である僕の実感はかなり違います。頭の中で総譜が勝手に書き上がり、歌詞は入ってこない。絶対音感のデメリットと”本当の中身”を、当事者目線で分析してみました。
輪郭を失う快楽 | ドビュッシー「喜びの島」に見る官能性に関する解釈
ドビュッシー《喜びの島》は、華やかでありながらどこか掴みどころがない。
本稿では、筆者のピアニストとしての音楽的体験を元に、この作品が内包する「曖昧な官能性」と、演奏解釈のヒントについて考察してみたい。
“ラヴェル“のダンディズムから見える「日常の美学」
オーケストラの魔術師と評された、ボレロなどの作品で知られるフランスの作曲家”モーリス ラヴェル”
彼は音楽だけではなく、ライフスタイルの全てにおいて、その美意識を徹底的に表現していました。今回は、そんなラヴェルの私生活に焦点を当てて、彼のダンディズムを学びます。
“クラシックコンサート”におけるドレスコードについての是非を問う
ミラノの名門劇場であるスカラ座が、観劇者の服装に関する注意を発表しました。その詳しい内容と”クラシックコンサート”のドレスコードは本当に必要なのか?それとも不要なのか?クラシック音楽を本業とする干梅の個人的な意見を述べます。
