ユニバーサルランゲージのオーダースーツの実際の評判、サイズ感とかはどうなの? 8年着用した私物を徹底レビュー

ユニバーサルランゲージメジャーズのオーダースーツは、実際に着てみるとどうなのか。僕は2017年の大学進学で上京した頃に、ナポリモデルのハンドメイド仕様で一着作りました。生地はREDAのチャコールグレーのフランネル。洋服が山のように増えた今でも、着用する機会のあるスーツです。

先に感想を言うと、気に入っている部分は多いものの、肩まわりの仕上がりと、いくつかの仕様選びには後悔もあります。襟の返りや細部の仕上げ、パンツの仕様には満足しています。一方で、肩の膨らみや腕を動かしたときの窮屈さは、作った当時よりも今の方が気になるようになりました。

注文した頃は、今ほど服のことを知らず、オプションも「なんとなくかっこよさそう」で選んでいました。その後いろいろなスーツやジャケットを着てきたからこそ、良かった選択と、次なら変えたい部分が見えてきた気がします。

今回はその一着を写真とともに見ながら、仕立て、サイズ感、着心地、選んだオプションについて振り返ります。2017年に注文した個体のレビューなので、現在のモデルや料金、サービス内容とは異なる場合があります。これから注文する方には、試着や打ち合わせで何を確認するかを考える材料にしていただければと思います。

Universal Language Measures Abito Su Mizura

ユニバーサルランゲージ(Universal Language Measure’s)のオーダースーツ。ダブルブレストで、チャコールグレーのフランネル素材。

こちらが僕がオーダーしたスーツになります。ナポリモデルで、ハンドメイドラインとなっております。生地はREDAのチャコールグレーのフランネルです。なんとなく全体を見てみるとスッキリしてていい感じがしますが、どうでしょうか?まずはジャケットについて、一つずつ見ていきたいと思います。ジャケットで最も大事な襟の部分ですが、返りも綺麗でしっかりと一枚襟で作られています。

生地とディテール|選んで良かった点、好みが変わった点

ユニバーサルランゲージ(Universal Language Measure’s)のオーダースーツ。ダブルブレストで、チャコールグレーのフランネル素材。襟周りの様子。
ユニバーサルランゲージ(Universal Language Measure’s)のオーダースーツ。ダブルブレストで、チャコールグレーのフランネル素材。使用されているREDA社の生地タグ。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、実は当時の干梅青年はなぜかグリーンに非常にハマっておりまして、ボタンホールの色を一部変えていました。正直個人的には今はこういったことはしないかなぁと思います。ただこれはこれで、特に何かお直しをするということはなく記念で残してあります。ボタンもややグリーンがかったナットボタンをつけており、袖は本切羽で仕上げました。ボタンホールそのものも結構綺麗にできていると思います。自分は今はこういう色遊びはもしかしたらしないかもしれませんが、オーダーならではの経験なので「絶対やっちゃダメだよ!!」とは思いませんし、試してみるのも良いと思います。ただ、ネイビーの生地に真っ白なボタンホールみたいなのはちょっとどうかなぁとは思います。1メートル離れて見ると気づかないくらいの差だったら、それはそれでいいのではないかと思います。

ユニバーサルランゲージ(Universal Language Measure’s)のオーダースーツ。ダブルブレストで、チャコールグレーのフランネル素材。袖の様子。

また、オプションとしてチェンジポケットをつけました。その当時は「なんとなくかっこよさそう」という至極単純な考えでしたね。こういう細部を自分で選べるのは、オーダーの楽しいところだと思います。

ユニバーサルランゲージ(Universal Language Measure’s)のオーダースーツ。ダブルブレストで、チャコールグレーのフランネル素材。チェンジポケットの様子。

さて、ここまで見てきて「あれ?めっちゃよくない?」と思う方もいると思いますが、ジャケットに関して唯一後悔している失敗があります。それが、袖付です。

肩と袖付けで後悔した点|昔の王子様みたいやん…

ユニバーサルランゲージ(Universal Language Measure’s)のオーダースーツ。ダブルブレストで、チャコールグレーのフランネル素材。肩周りの様子。

所謂、シャツのような袖付けをするというナポリ仕立てにおける最も有名な技法「マニカ カミーチャ」です。どういうわけかわからないのですが、置いたときはそうでもないのに、着ると鬼のように膨らんでしまいます。そのため、袖山が不自然にぷっくりとなってしまい、しかもあろうことか却って腕が動かしづらいです。例えば、本場のナポリブランドであるISAIAのフランネル素材で作られてるジャケットを見てみると、そちらはほとんどマニカ カミーチャがされてませんし、それでいて腕が非常に動かしやすいです。

Attolini(アットリーニ)とISAIA(イザイア)を比較してみよう

イザイア(ISAIA)のジャケットのモデルの一つ、グレゴリーの肩周りの様子。
ISAIAのフランネルジャケット
ナポリブランドでありながらマニカカミーチャは控えめ。

もちろん、生地や型紙、体との相性も違うので、これだけで袖付けの良し悪しを決めることはできません。僕の一着では、肩の膨らみが今の好みに合わず、腕を動かしたときの窮屈さも感じます。ただ、その原因がマニカ・カミーチャだけにあるのかは分かりません。

次に注文するなら、「ナポリらしい仕様だから」という理由だけでは選ばないと思います。可能であれば近い仕様のサンプルを着て、肩の見え方を少し離れた鏡で確認し、腕を前に出したときにも無理がないかを確かめたい。仕様の名前から想像する格好良さと、自分が着たときに気に入るかどうかは、別の話でした。

パンツのサイズ感とシルエット

ユニバーサルランゲージ(Universal Language Measure’s)のオーダースーツ。ダブルブレストで、チャコールグレーのフランネル素材。トラウザーズの前面。

さて、ジャケットをここまで見てきましたが、トラウザーズを見てみましょう。僕がオーダーしたのは2017年で、ちょうどクラシック回帰なんて言葉が謳われ始めて、ベルトレストラウザーズが最注目され始めた時でした。干梅青年は何も知らなかったのですが「こっちの方がかっこいいやん」と思い、その仕様にしました。これは良い判断だったと思います。

ただ今の視点で見ると、もうほんの気持ち全体的にシルエットを緩くした方がよかったと思います。股上ももう少し深くてもよかったですね。これは別に誰が悪いわけでもなく、当時はまだ非常にスリムなシルエットが主流だったことが影響していると思います。もちろん、別に今履いてもキツイと感じることはありませんし、個人的にはこれはこれで満足しています。ただ、もしかしたらウェスト以外は1センチずつくらい出した方がいいのかもしれません。その辺りは調整が効くようにしっかり余裕を持って作られています。

ユニバーサルランゲージ(Universal Language Measure’s)のオーダースーツ。ダブルブレストで、チャコールグレーのフランネル素材。トラウザーズの裏側の様子。

トラウザーズはシルエット以外に関しては概ね満足しています。これに関してはフィッティングの際に、しっかりと自分の好みを伝えるのが大事だと思います。フィッターにもよると思いますが、僕が訪れた際に話した感想では、バランスは比較的融通がきく印象でした。

注文時に選んだオプションと、今なら変えたい点

僕が2017年の注文時に選んだ仕様とオプションは以下になります。無料・有料の区分も当時のものです。現在の取り扱いや料金については、注文時に店舗で確認してください。

ジャケット

ナポリモデル ハンドメイド仕様

無料オプション 本台場、サイドベンツ、フラップポケット

有料オプション AMFステッチ、本切羽、チェンジポケット、ダブル仕様、ボタンホール色変更、マニカ カミーチャ、キュプラ裏地

トラウザーズ

TRモデル

無料オプション フロントボタン留め、ベルトループなし、前裏、斜めポケット、上前ピスポケットボタンあり、下前ピスポケットボタンなし、AMFステッチ、ダブル糸、Vカット

有料オプション サイドアジャスター、キュプラ裏地、シック

もし今、自分がもう一度注文するなら、マニカ・カミーチャは選ばないと思います。一方で、今回選んだハンドメイド仕様のディテールには満足しています。ただ、通常仕様との着比べをしたわけではないので、着心地の違いまでここで断定することはできません。

このスーツをイタリアで着ていると、「エレガントだね」と褒められることもあります。気になる点はあっても、着た姿を気に入っているのは確かです。だからこそ次は、見た目のディテールだけでなく、肩まわりやパンツのゆとりをもう少し丁寧に相談して作りたいと思います。

ユニバーサルランゲージの着心地について

着心地については、気に入って着ている一方で、動きやすさには不満もあります。具体的には、腕を前に出すと肘が少し突っ張り、腕の付け根から胸にかけても当たる感覚があります。また、手持ちのほかのジャケットと比べると、着たときに少し重たく感じます。

これは僕が注文した一着についての感想です。比較する服によって生地や仕立て、価格も違うので、そのままブランド全体の優劣にはできません。ただ、オーダーで寸法を調整できることと、動いたときに自分が心地よく感じることは、同じではないと実感しました。

これから注文するなら、鏡の前で立った姿だけで決めず、腕を前に出す、椅子に座るなど、普段の動きでも確認することをおすすめします。パンツについても、細く見えるかだけでなく、座ったときの腰や腿のゆとりまで相談したいところです。

長く着て感じた評価と、注文前に確認したいこと

ユニバーサルランゲージメジャーズで作ったこのスーツは、今も着たいと思える一着です。襟の返りや細部の仕上げ、ベルトレスにしたパンツなど、選んで良かったと思う部分があります。その一方で、肩の見え方や腕の動かしやすさ、パンツのシルエットには、今なら違う選択をしたい部分も残っています。

自分で仕様を選べる楽しさは、オーダーならではでした。ただ、選べる項目が多いぶん、何を選べば自分の好みに近づくのかは意外と難しい。僕のように「なんとなくかっこよさそう」で決めるのも経験にはなりますが、これから作るなら、着たい場面や好きなシルエットを伝え、肩まわりの動きやすさ、パンツのゆとり、オプションを含めた総額を確認すると、仕上がりを具体的に想像しやすくなると思います。

既製服も含めて選択肢を考えたい方には、僕が実際に着てきたジャケット・スーツブランドの比較記事もあります。価格帯の異なる服も扱っていますが、それぞれの着心地や仕立てにどんな違いを感じたかをまとめています。

現在のモデルやオーダーの内容については、下記の公式サイトをご確認ください。

UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’S 公式サイト

干梅 太郎

イタリア在住のピアニスト。クラシック音楽と、イタリアの古い服について書いています。
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