悲しい性は永遠に
こんにちは。”Sartoria Attolini”のテーラードジャケットのディグ日記をお読みになった皆様なら、この展開はすでに想像されているかもしれません。毎度お馴染みの比較記事となっています。以前、ブリオーニとベルベストを比較してみたのですが、今回はナポリ対決ということでアットリーニとイザイアを比べていきます。果たして勝負の行方(?)や如何に!
アットリーニとイザイア
Sartoria Attoliniは1930年台に”ナポリ仕立て”を確立した伝説のサルトであるVincenzo Attoliniの息子であるCesare氏が、そのナポリ仕立ての精神に則った既製服を展開するブランドで、現在では”Cesare Attolini”という名で呼ばれています。ハンドワークのみを使った伝統的な手法を大切にしており、年間の生産数も小規模に保たれています。
対して、ISAIAもナポリ発祥のブランドです。1920年代にEnrico Isaiaが小さな服地商を始めた傍らに小さなサルトリアも開いていました。それを、彼の息子たちが1957年に事業を拡大して、今日に至ります。ファクトリーとしてARNYSのスーツなどを作っていた事でも知られていますが、現在はスーツやジャケットのみならず、トータルブランドとしての展開を強めており、その出自を思わせる華やかなラインナップが特徴です。
以前の比較の時も同じような状況でしたが、こと品質に関しては比較するまでもなく”アットリーニの方がイザイアよりも格上”とされていますよね。そもそもアットリーニは誰に聞いても、どこと比較しても「最高」と表現されています。そして、どこで売ってるのかさえよくわからなさすぎます…
公式ウェブサイトを見てもコレクションについてしか載ってなく、エクスクルーシブにも程がありません?ともあれ、いくつかのオンラインストアで発見することができたのですが、ジャケットは5000€以上するようですが…
ちなみに、ISAIAは公式オンラインストアがあります。ちょっと見づらいですが大体ジャケットは価格帯が4000€といった感じですね。どちらにせよ、僕の一年間の食費よりも全然高いです。
もちろん彼らの作る洋服が高額な理由はちゃんとあります。ただ、前回と同様「なにがちゃうねん」って思いませんか?特に今回は、どちらもナポリ発祥のブランドです。徹底的に見ていきたいと思います。
Sartoria Attolini

さて、こちらがアットリーニのジャケットです。威厳があります。柔らかな雰囲気と英国らしさが見事に融合していますね。
ISAIA

対してイザイアからはGregoryモデルのジャケットになります。ちなみにこちらはスーツの上着です。裏地派手すぎませんかね。
コンストラクションのお話
さて、今回もどちらのジャケットも総裏です。僕はジャケットを破壊する趣味はないので、表から見える部分を見ていきたいと思います。まず、襟裏から見ていきましょう。当然ながらどちらも総毛芯です。
なぜかイザイアのジャケットにはゴージダーツが入っています。グレゴリーモデルのジャケットはもう一つ持っているのですが、そちらにはダーツは入っていません。使用の変更があったのか、それとも前の所有者が補正したのでしょうか。どちらにせよ、当たり前かもしれませんが、ハ刺しはしっかりなされています。
どちらの胸ポケットもしっかりバルカポケットです。特にアットリーニのバルカポケットは柄がびっちり揃っていて、ぐんにゃりしていてとても綺麗ですね。ちなみに、イザイアのジャケットは最後に来た時にサングラスを入れていて、そのままにしていたのでシワがついてしまってます…(アイロンをサボってすみません)
肩周り
さて、ジャケットにおいて最も大事な肩周りです。特にイザイアのジャケットは写真だとすごくわかりづらいんですが、どちらもマニカカミーチャになっています。外からの見た目はごくごく自然に見える程度になっています。
内側も綺麗で、この辺りは抜かりないですね。それにしてもイザイアの裏地は派手ですね。
腰ポケット
腰ポケットはアットリーニのものが玉淵で、イザイアのものはフラップ付きで、少しディテールが違います。ですが、どちらも基本は忠実に抑えられていて、非常に綺麗に作っています。
ボタンホール
ボタンホールに関しては正直甲乙つけ難いです。僕はどちらの雰囲気も味があって好きです。皆様はどう思いますか?
ボタン
ボタンに関してはどうでしょう。正直イザイアのボタンはあまり好みではありません。おそらく、当時こういったボタンが流行っていたのだと思います。
着心地について
さて、ぱっと目に見える部分ではイザイアもアットリーニに劣っているというわけではなさそうです。なんかどちらもかっこいいし、もう比較とかどうでもよくなってきませんかね?
冗談はさておき、最後に一番重要な着心地の違いをご説明いたします。イザイアは今回紹介したグレゴリーの他に、セイラーモデルのジャケットも持っているのですが、どちらにせよ非常に着心地は良いです。おそらく、イザイアの型紙は結構僕の体に合っているんだと思います。本当にこんなの微々たる差でしかないんですが、ベルベストやカルーゾと比べてもなんとなーく、少ーしだけ、フィット感が違います。
ただ、アットリーニはすごいです。正直初めて袖を通した時はびっくりしました。語彙力を失います。個人的には「一体どこに文句をつけたら良いんだろう」って言うイザイアをさらに凌駕する着心地です。オールハンドメイドの柔らかさと、既製服なのになぜか異次元のようなフィッティングをもつ型紙が、全てを凌駕しています。肩、首だけでなく、接している全ての面から綺麗に吸い付いてくる感じがします。そして、その柔らかさを保ちつつもハリがあるので、どんな動きをしても一切のストレスが生じません。
まとめ
個人的にはアットリーニもイザイアも素晴らしいブランドだと思います。やはりアットリーニはまさに「別格」だと語られるだけの魅力がありますし、イザイアもこれだけしっかりと基本に忠実に作っているからこそ、華やかな演出をしても、それがただ嫌らしくはならずに、所謂”イザイアらしさ”としてポジティブに捉えられるのだと思います。
以前にも費用対効果の話をしましたが、近年は世界的に洋服の価格高騰が非常に激しくなっており、中にはクオリティが著しく低くなっている物もたくさんあります。そんな中でも基本に忠実にかつ、「アットリーニやイザイアにしか出せない世界観」を合わせもつからこそ、現在の成功があるのだと感じます。皆様も是非、機会がありましたら一度袖を通してみてください。
Cesare Attolini Official Website
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