イタリアはもちろんヨーロッパを旅行する際に、アンティークやヴィンテージの家具や小物なんかが好きな方にとって現地の”蚤の市”は絶対に欠かせないイベントだと思います。僕は日本にいた頃、おしゃれな部屋作りなんかには人並み程度に興味があったのですが、アンティークのものなどは高かったりもして、あまり購入したりすることはありませんでした。イタリアに住み始めてすぐの頃、現地に長く在住している日本人の方に街を案内いただいた時に、たまたま蚤の市が開かれているところに通り掛かりました。話によると、どうやら定期的にこのような市場が開かれているようで、それ以来度々訪れるようになりました。イタリア国内はもちろん、ヨーロッパでは他の国でも蚤の市が盛んに行われているので、旅先でもタイミングが合えば訪れるようにしています。今回はイタリアの蚤の市に関して私が経験したことなどをまとめてシェア出来ればと思います。

イタリアでは蚤の市ってどこで開催されてるの?
例えばイタリアの中でも主要な都市の一つ、ミラノではこちらの写真のように、ナヴィリオ運河という大きな河川沿いでのアンティークマーケットが有名です。ですが、ミラノに限らずに基本的には各街ごとに大きなアンティークマーケットが月に一度もしくは二度開催されることが多いです。
多くの場合土曜日から日曜日にかけて毎月決まった週に行われているので、訪れる街の名前と”Mercatino delle pulci”と書いて調べてみてください。もちろん、ミラノやローマのように大きな街であれば、2~3箇所で週ごとに違うマーケットが行われている場合もあります。

ヨーロッパではお店で商品に勝手に触るのはよくないなんてよく言われますが、基本的にこういったマーケットでは商品に触る事に対しては寛容です。特に気にしていない人の方が多いです。ただ、例えばちょっとお高く止まってそうな雰囲気のスタンドなどでは聞いてみた方がいいこともあります。もし”Non toccare”と書いている場合は触ることはできません。値段に関しても完全にランダムです。値段の書いてあるシールのようなものが貼ってない場合はとりあえず”Qanto costa?”と聞いてみるしかありません。
最近はクレジットカードで支払えるハイテクな出店も増えてきていますが、それでもこういったシチュエーションでは現金を、それも少額の紙幣や小銭を用意しておいた方がいいです。実際50€札でさえすでに両替が難しい場合もあります。また、こういったマーケットでは価格交渉が出来ることも多いのですが、その場合も現金の方がかなり融通が効きます。
もしお皿やガラスなどといった割れやすいものを持ち帰りたいと思っている方は100均で買えるようなプチプチを持っていく事をお勧めします。購入時に新聞紙のようなもので包んでくれることが多いですが、預け荷物に入れる事を考えると心許ないです。他にもワインやオリーブオイル、バルサミコ酢などといった他のお土産を持ち帰りたい場合もプチプチは非常に便利です。
イタリアの蚤の市では実際どんなものが売ってるの?
ここまでざっくりとイタリアにおける蚤の市のシステムや様子なんかについて話してみましたが、実際問題どんなものが売っているかさっぱりわからないと訪れにくいですよね。ただ、残念ながら販売されている物に関しては完全にランダムです。継続的に出店している方々もいらっしゃいますが、それでも各スタンド毎に置いている物や雰囲気は毎回と言っていいほど違い、スタンドの位置なんかも絶対に毎回同じとは限りません。
とはいえ、皆様が骨董品と聞いて思い浮かぶような品々に関しては、基本的にはなんでも売っています。家具、雑貨、絵画、彫刻、食器類、本、布、洋服、ファッション小物。とにかくありとあらゆるものが売られています。
“古着”好き必見! イタリア旅行で掘り出し物を探すための極意
イタリア国内での地域でもなんとなく雰囲気が違ったり、もちろん国をまたげば全く置いている物の傾向が変わったりします。蚤の市の醍醐味はやはりそこにあると思います。僕も通い詰める中で色々な発見をしたり、時には「あの時買っておけばよかった」なんてちょっぴり後悔したりと、いろんな経験をしてきました。
さて、ここからはイタリアの蚤の市で買える物の中で、個人的にお勧めなものの中から3つ紹介したいと思います。
エスプレッソ用コーヒーカップ

イタリアといえばエスプレッソという事で、専用のカップは非常にお勧めです。ソーサーと一緒に売っている場合も多く、値段も比較的お手頃な傾向にあります。私自身も蚤の市で買ったカップを愛用しています。
イタリアの家庭に息づく朝の香り “モカエキスプレス”で淹れる目覚めの一杯
ほかにも食器類などは手頃な価格で売られていることも多く、マヨリカ焼きというファエンツァの有名な焼き物も見つかることがあります。
絵画

絵画と一言でいうとすごく漠然としていますが、小さいものから大きいものまでたくさん売っていて、なんといっても世界に一つしかないという所が特別な出会い感を高めてくれます。もしお気に入りのものがあれば”買い”です。値段はピンキリですが、交渉力がものをいいます。例えば、写真に写っている絵は安いものは5€、高いものでも50€しない程で購入しました。本当にピンキリです。
洋書

洋書といっても様々な本がありますが、ここでオススメするのはその国ゆかりの作家の本です。イタリアの場合ですと、例えばクラシックな装丁がなされたダンテの神曲やペトラルカの詩集といった古典の本などが安価に手に入ります。こういった本は旅の思い出にもなりますし、もし言語を学習されている場合は将来の良い目標にもなります。(ちなみに僕はまだ神曲は読めません。難しすぎん?)
まとめ
いかがでしたでしょうか。蚤の市特有の雰囲気は一見敷居が高そうにみえますが、基本的に出店の人たちはみんな気さくで話しやすいです。この記事が少しでも役に立ったりヨーロッパの蚤の市に興味を持っていただけましたら幸いです。僕と一緒に、骨董収集の沼にズブズブと浸かっていきましょう。
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