イタリアではあまり見かけないファッションアイテム

こんにちは。なんだかタイトルからネガティブな雰囲気が漂ってきている気がしないでもないですが、決して悪口を書く記事ではありません。イタリアのリアルなファッション事情を知っていくと、日本では猫も杓子も着ている様なアイテムが、イタリアでは意外と着られていないということがあります。今回はそんなアイテムについて紹介しつつ、なぜ人気がないのかについても考えてみたいと思います。

1.バスクシャツ

イタリアではあまり見かけないファッションアイテムの一つ、バスクシャツ。セントジェームズのものが有名である。フランスでは人気

まず一つ目は、セントジェームズに代表される様なバスクシャツです。日本でおしゃれを名乗りたかったら「とりあえず1着はマスト」というくらいの定番品ですが、イタリアではなかなか見かけません。バスクシャツに限った話ではないのですが、イタリアではフランス由来のアイテムというのは大手メゾンのアイテムを除いて、あまり見かけない傾向にあると思います。イタリアはイギリスからの影響を強く受けている事もあり、少し寒いとはいえわざわざ似た様な環境であるフランスからの影響を、そこまで取り入れなくてもよかったのだと思います。この点が、なんでも取り入れようとする日本の多国籍さと大きく異なる点だと思います。ちなみに、本国フランスでは凱旋門の中のお土産屋にさえセントジェームズが売っています。

2.メタルボタンのブレザー

日本に比べてイタリアではあまり見かけないアイテムの一つ、メタルボタンのブレザー。バーバリーのベルベスト製の物。

「そんなわけないだろう!」とブレザー党の皆様がお怒りになる気持ちもわかります。もちろんイタリアでもブレザーを着ている方を見かけることはあります。ですが日本と比べた際に、メタルボタンのブレザーではなく、ナットボタンなんかのネイビーのジャケットを着ている人が多いです。日本のファッションの変遷においては、やはりアメリカの影響が非常に強かった事と、僕は生まれてすらなかったのですが、VANジャケットなる存在が与えた影響は今でも色濃く残っているのではないかと思います。ブレザーの人気がないというほどでもないと思いますが、普通のボタンのものの方がミニマルに見えるので人気が高いです。

3.太いシルエットのパンツ

イタリアではあまり見かけないアイテム。ワイドシルエットやストレートシルエットのパンツ。

イタリアの話をしていると考えると、これに関してはそんなに不思議に思わない方も多いと思います。いわゆるカジュアルな土管みたいなシルエットのパンツというのはイタリアではあまり見かけません。こう言ったパンツは一部の急進的な若者のみが着用しており、基本的な街行く人の傾向に関しては、スキニーとまではいかなくともやはり細身という印象があります。僕も例えば日本にいた頃はフランス軍のM52なんかをよく履いていたのですが、イタリアに住み始めてからあまり気分でなく、前回日本に帰った時に置いてきてしまいました。もちろん、ファッション的に変というわけではないのですが、あまり見かけないアイテムとしてラインナップに入れました。

4.カーハートやパタゴニアのカジュアルなジャケット

こちらも、全く着ている人がいるわけではないのですが、日本と比べると少ない印象です。イタリアではこう言ったカジュアルなアウターを選ぶ際は、リーバイスに代表されるデニムジャケットをとるか、おじさん世代であればバブアーやラベンハムの様なクラシックなものに振り切るか、はたまたシンプルにレザーのライダースを選ぶ人が多い印象です。あまりこう言った無骨で、悪くいえば野暮ったさのある様なアイテムはファッションとしては選ばれにくく、どちらかというと「ドイツ人が着る物」としてステレオタイプ的に認識されている傾向にあります。イタリアで街着として着られているものとして考えると、ノースフェイスのマウンテンパーカーなんかは人気が高いと言えます。

5.コンバースのスニーカー

こちらも日本に比べるとあまり見かけません。まず大前提として、イタリアでは白のスニーカーを履いている人が、びっくりするくらいウヨウヨ歩いています。そして、体感8割(?)の人たちがナイキのエアフォースワンを履いている印象です。次点でアディダスのスーパースターといった印象ですが、いずれにせよ真っ白のレザースニーカーというのはとても人気です。一方キャンバススニーカーはというと、イタリアにはスペルガがありますので、そちらを選ぶ人が多い印象です。

保守的なイタリアと多様性の日本

もちろん現在はネットを通じて世界中の情報を手に入れられるので、着こなしの多様化は世界中で進んでいると思います。とはいえイタリアでは、自国における洋服文化が非常に盛んなことによる副作用として、外からの影響の強さのバランスが悪い様に感じています。その点日本にとって洋服というのは、あくまで全てニュートラルに外来品としてのルーツがあるので、より自由な視点で色々な国の物を取り入れていると思います。もちろんどちらが良い悪いの話ではなく、自分自身のルーツと洋服そのもののルーツのバランスを見極めて、どの様な立ち位置にありたいのかということこそ、スタイルの構築において一番大切なのかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。国によってのスタイルの違いは、選ばれるアイテムの違いから始まるのかもしれません。自分のワードローブを振り返ってみて、何を基準に選んで購入したのかなどを考えてみるのも楽しいと思います。ちなみに、イタリア人の洋服の着こなしに関する考察なんかも記事になっていますので、もしよろしければ、暇つぶしにお読み頂けますと幸いです。

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