僕が子供の頃はまだ町を歩くと、行き交うサラリーマン達が色とりどりのネクタイを締めていましたが、近年ではすっかり見かける事も減ってしまいました。いまや趣味のアイテムと化してきてしまっているネクタイですが、僕はやっぱり好きですし、これからも締め続けたいと思っています。ただ、どういった物を締めるのかというのはいつも悩ましい話です。そんな中で、ヴィンテージのネクタイという選択肢を考えてみませんか?
悲しみのヴィンテージネクタイ
ところで、ネクタイって古着市場だと大袈裟なくらい安くないですかね。やはりシンプルに需要がないのでしょうか。セレクトされている古着屋でさえもなけなしの価格で売っている様に感じてしまいます。残念ながらそのあたりはイタリアでも同じ状況です。
先日、YouTube徘徊をしていた所、某テーラー系YouTubeのTさんの動画で「ネクタイはくたびれるからヴィンテージの物は難しい」とおっしゃっているのを見かけました。確かに、くたびれてヘナヘナのネクタイというのもよく見かけるのですが、一方でもちもちとしたすごく状態が良い物であったり、昔のものだからか、やたら品質の良さそうなシルクが使われている物を見かける事もあります。なので、結局は他の古着と同じで、個体次第なのではないかと思っています。
ただ、ネクタイというアイテムの性質上、柄と状態のバランスに大きく左右されるので。自分のお気に入りを探そうと思うと案外難しく、僕の場合は富豪の方々のようにマリネッラやアットヴァンヌッチを何十本も揃えられるわけではないので、所持しているネクタイの数はそこまで多くありません。ただ、それでも時間をかけて集めていると徐々に徐々に集まってきます。そこで、ぼちぼちと長い目で集めたヴィンテージのネクタイや、それに関して感じた事などを書き留めていきます。
フランスのヴィンテージネクタイがもつ独特の魅力
「イタリア在住のくせにフランスかぶれか?」と眉を顰める方もいるかと思いますが、僕の手持ちのネクタイはフランスのブランドの物が多いです。僕の場合、実生活において畏まらなければいけない場面というのが特にない(?)ので、ソリッドタイなんかを締めると、少し気合い入りすぎに見えてしまいます。その為、基本的にはカジュアルよりなネクタイの方が使用頻度が高く、購入する際も自然と選びがちになります。そんな中で特に目に留まるのが、フランスのメゾンのヴィンテージネクタイです。

例えば、これらはヴィンテージのフランス製のランバンの物です。未使用という事もあり、シルクがすごくモチモチしていて、とにかく柔らかいです。そして、なんと言っても柄の表現が絶妙です。こういった普通っぽく見えるのに、よく見ると尖った柄というのはとても好きです。

具体的にいつ頃の物なのかというのはさっぱりわからないのですが、個人的には特に気に入っている2本になります。汎用性も非常に高く、特にこの手書きのストライプの様な柄は色んなコーディネートで使用しています。今後もフランス製のランバンは注目して探していきますので、いくつか見つけたらまだ改めて紹介いたします。

そして、フランスのメゾンのネクタイといえばやはりエルメスは外せませんよね。プリントの美しさなどは変え難い良さがあります。そして、締めた時の感触も硬すぎず柔らかすぎず、ちょうどいいです。変に特徴がないのが逆に気に入っているポイントです。特に一番右のネクタイなどはかなり多用しています。
ヴィンテージネクタイを探している時に、気に入った柄に出会う時の喜びはとても大きいです。同じ柄を2度と見かける事がないと思うと、お迎えせざるを得ません。先ほど悲しみのヴィンテージと言った様に、基本的に何を選んでもクオリティに対して過小評価されているので、僕の様な人間からするとお財布に優しく、まさに「ありがたいヴィンテージネクタイ」と呼べるかもしれません。
選び方のコツ
コツというほどのものでもないかもしれませんが、もしネクタイを触れるのであれば、優しく全体的に極端に薄っぺらく感じる部分がないかを確認しましょう。あとはシミなどがないかという基本的な古着の注意事項さえ守っていれば問題ありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。完全に個人的な趣味も含んでいますが、ネクタイに関する連載は今後も続けていきたいと思います。皆様ももしお気に入りの柄のネクタイを見つけたら、新品古着問わずに躊躇せずに手に取ることをおすすめします。その柄を見つけられるチャンスは、2度とないかもしれません。
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