当ブログではこれまでにも何本か靴紹介記事を書かせていただいたのですが、いままでの3本全てにおいて、英国製の物を取り上げてしまっております。イタリア在住にも関わらず、イタリアの靴を紹介しなさすぎるのは少し心苦しいと思っていたのですが、今僕の手元にある靴の中から、比較的親しみやすそうなものから順番に執筆した結果このようになってしまいました。少し遅くなりましたが、今回は記念すべき当ウェブサイト初めてのイタリア靴として、ボローニャを拠点とする名門中の名門である”Enzo Bonafè”のキルトタッセルローファーを紹介させていただきます。
Enzo Bonafé Kiltie Tassel Loafers

Enzo Bonafèはボローニャの名門”A.Testoni”で修行を積んでいたEnzo氏が1963年に独立し、自分の名を冠した工房を設立した事から始まりました。創業以来その並外れた手作業を主とする職人技によって仕立てられる際高品質の靴は各界で愛されており、元ローマ法王などもこよなく愛していました。
残念ながら創業者であるEnzo氏は2023年に亡くなられてしまったのですが、その魂は今でも靴作りに生きています。

Enzo Bonafèは靴によって色々な製法を使い分けているのですが、この靴は前側がグッドイヤー、そこから真ん中にかけて徐々にマッケイになるという、2C製法という物が採用されています。そして、最後の出し抜い以外は全て手縫いという九分仕立てで作られており、まさに職人技の集積とも言える素晴らしいクオリティを持っています。
何よりヒールカップが非常に立体的に作られており、履くとシュポッとなんだか空気が抜けたような音とともに、踵を優しく、それでいてがっちりと包み込んでくれます。そしてもちろん、全体においても自分のために仕立てられたんじゃないか?などと勘違いしそうになる程フィットします。特に、土踏まずのフィット感は言葉で言い表せない心地よさがあります。

こちらの靴はEnzo Bonafé per Hankyuと書かれている通り、阪急メンズの別注となっています。数年前まだ東京に住んでいた頃、冷やかしのつもりで有楽町のメンズ館靴コーナーを訪れた際、セールにかけられていた(確か50%オフほど)この靴に一目惚れして、大急ぎで無理やり工面して購入したといった所です。今考えてもかなり無理な買い物だったと思いますが、それ以来今に至るまで愛用している一足になります。
キルトタッセルがついているフルブローグのローファーということでかなりカジュアルかつ大胆な装飾が施されているのですが、LUNAラスト特有の色気のある滑らかなカットによっていい感じに野暮ったさが中和されており、とても洗練されて見えるあたり、流石という所でしょうか。他のメーカーも素晴らしい靴をたくさん生み出していますが、Enzo Bonafèに匹敵するメーカーは数えられるほどしかないと思います。おじいちゃんになるまで今後も大切に履いていきたいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。Enzo Bonafèの靴は本当に素晴らしい履き心地とクオリティを持っています。もしお持ちでない方は是非一度試着されてみる事をお勧めいたします。


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