気品と無骨さが共存する靴 JOHN LOBB(ジョンロブ) WILLIAM

革靴、スニーカー問わず、近代の靴の歴史の中で、数多のデザインのシューズが生み出されてきましたが、いわゆるドレススタイルで履かれるような”クラシック”なデザインとして認識されている物は、それほど多くないと思います。例えばブローグシューズなんかは500年ほど前からその原型が存在していたと思えば、いつまで同じデザインを引き摺ってるんだろうと、ふと疑問に思う瞬間もありますよね。原因について色々考えてみたりもしますが、結局のところは人間の足の形の都合と、機能的である必要があるという二つの問題によって、衣服に比べて自由度が格段に低いという問題が影響を与えていると感じます。ただ、そうはいっても長い歴史の中でいくつか象徴的なデザインが生まれ続けて、今日では”クラシック”というカテゴリに分類されるようになっています。その一つが”ダブルモンクストラップ”ではないでしょうか。今回hそんなダブルモンクストラップの元祖ともなった”JOHN LOBB”のWILLIAMについてお話ししたいと思います。

JOHN LOBB WILLIAM

"JOHN LOBB WILLIAM"

JOHN LOBBの伝説は1866年、ジョンロブがロンドンに彼の名を冠した靴工房を出店したことから始まりました。その類稀なる技術によって生み出される靴は、世界最高峰として瞬く間に上流階級の間で評判となり、二代目がパリに出店を果たしてからも、そのクラフトマンシップは賞賛を浴び続け、今なお世界中の靴ブランドの頂点として君臨しています。

数々の名作がある中で、このWILLIAMは1945年、洒落者としてメンズクラシックスタイルにおける数々の革命を生んだウィンザー公(英国王エドワード8世)が、二代目のウィリアム・ロブに注文をした際に、パイロットが履いていたアビエイターブーツから着想を得て生み出された靴が起源となっています。そこから時を経て、1982年にようやく既製靴としての販売が開始されました。

モンクストラップとは修道士が履いていた、紐ではなくストラップで止めるタイプの靴が名前の由来となっており、アビエイターブーツとモンクストラップの要素を掛け合わせた、ジョンロブのアイコンとも言える名作です。

ともかく、このような経緯で生まれたため、クラシックな靴の中では比較的新しい部類に入るデザインの”ダブルモンクストラップ”ですが、個人的には非常に使いやすいと思っています。何より、修道者の靴とパイロットの靴が王族の注文で生まれるって、なんだかルーツの掛け合わせが面白いですよね。もちろん、こんな重たい見た目の靴を素足で履くのはどうかと思いますが、その絶妙なルーツの組み合わせが、汎用性にも生きていると思います。

"JOHN LOBB WILLIAM"斜め上からの様子

この個体は少し古めのものになっており、中は少し使用感があるのですが、外側はどこもクラックなどはなく割と綺麗で、何より相場よりも非常に安い値段だったので、どうしても試してみたい気持ちが優って購入しました。サイズは8Eです。紐履に比べるとどうしてもフィッティングがほんの少しだけゆるいのですが、靴下を履けば問題ない程度の感触です。何より幅広いコーディネートに使いやすいのと、ダブルソールの頑丈さがイタリアの道を歩き回るのを助けてくれます。

"JOHN LOBB WILLIAM"

以前に紹介したChurch’sのRYDERもそうなのですが、イタリアの街を歩く場合は頑丈な靴を選ぶ方が無難です。石畳は見た目はいいですけど、非常に歩きづらいです。そして貧弱な靴だと、ソールがゴリゴリ削れてたまったもんじゃありません。いずれイタリア旅行におすすめのファッションアイテムなんかも紹介できれば良いなと思っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。同じダブルモンクストラップの中でも、やはり王道の物は存在感に溢れています。それでいて、その中庸さ加減がスタイリングのしやすさにもつながっていると思います。皆様もぜひ機会がありましたら、一度試着してみてください。

ジョンロブ 公式サイト

JOHN LOBB Official Site

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