悲しい性は永遠となる
こんにちは。今まで当ブログではいくつかのブランド比較記事(ISAIA(イザイア)と Belvest(ベルベスト) 比較してみる? 、“ミラノスタイル”って結局なんぞや?ミラノのセレクトショップ”TINCATI”のオリジナルブレザーを”Brioni”のブレザーと比較しながら考察してみた。など)を書いてきましたが、いよいよ頂上対決の瞬間がやってきました。人間は最後の最後まで争いを好む物なのでしょうか。冗談はさておき、クラシックスタイル愛好家にとって憧れの存在といえばいくつかありますが、その中でもタイトルにもあるブリオーニ、キートン、アットリーニは誰もがイタリア最高峰の一角として思い浮かべるブランドかと思います。ですが実際、それらはどのくらい違うのでしょうか?調べみると色んなサイトで紹介されていますが、実際に洋服好きの素人のリアルな目線での比較は意外と少ないのではないかと思います。そこで、僭越ながら僕が実際に着用した感想として、果たしてそれぞれどのような特徴があり、どう違うのかを、ジャケットのディテールを紹介しながら徹底的に比較してみたいと思います。
Brioni

まずはBrioniから、Tincatiのオリジナルブレザーと比較した際にも紹介したネイビーのブレザーが登壇します。今回比較する中では唯一、ローマ発のブランドになります。
Kiton

キートンからはブログでは初の紹介となる、最近入手したこちらのジャケットが登壇します。白く輝いています。
Attolini

アットリーニからは第十回ディグ日記でも紹介したジャケットが登壇します。ネットの情報的には一番下馬票が高そうなのがアットリーニですが、果たしていかがでしょうか。
素材感が違ったりするので「比較になるのか?」という声もあるかと思いますが、そこはご愛嬌という事でお願いします。それでは早速みていきましょう。
ラペル裏



当たり前かもしれませんがラペル裏を見てみると、基本的にハ刺しの様子が見られます。ラペルの立ち上がりはふわっとしていて、立体的に作られています。
肩周り



ブリオーニはもちろんナポリの2ブランドも同様、肩周りは基本的にスッキリしています。アットリーニは若干の雨降が見えますが、それでも大袈裟には施されていません。
胸ポケット



ここに来てディテールに少しだけ違いが見えてきました。ブリオーニはストレート気味な胸ポケットを持っていますが、キートンとアットリーニはナポリらしくバルカポケットになっています。特にアットリーニの曲線はとても美しく描かれています。
腰ポケット



アットリーニの物にはフラップが付いていませんが、どれも非常に丁寧に仕上げられています。とくにブリオーニのフラップが持つ曲線は非常に繊細です。
ボタンホール



ボタンホールも当然ハンドですが、各社それぞれ個性が光ります。個人的にはブリオーニの物が好きですが、アットリーニの手縫感満載の物も捨てがたいです。
着心地について

さて、ここまでディテールをチェックしてきましたが、気になるのは着用感ですよね。まず、大前提としてどのジャケットも非常に着心地が良い事は間違いありません。やはり三大既製服というだけのことはあり、充実した手仕事による絶妙な柔らかさはどのジャケットも兼ね備えています。とは言いつつも、肩に乗った時の感覚の差は勿論あります。まず「服を着ている」という感覚が一番強いのはブリオーニです。着用していると逞しい存在感を感じます。逆に全くそれを感じさせないのがキートンです。勿論素材の違いがあるのでなんとも言えませんが、それでも柔らかさという点においては突き抜けていると思います。そして、どちらとも言えない中庸な着心地を持っているのがアットリーニといったところです。ではキートンが一番いいのか?というとそんなに単純な話でもないと思います。
ブリオーニは着用感が逞しいという表現をしましたが「カッコよさ」という点において、まったく違った方向を向いていると感じます。ブリオーニの仕立てが持つ伝統的で構築的な顔つきは、着用者の存在感を自然と高めてくれるような雰囲気を持っています。
キートンはその点優男感が否めません。どこまで行ってもひたすらに軽いので、品があるのにどこか抜けているというか、なんとなく甘さを感じます。勿論それは決して悪い意味ではなく、キートンの仕立てがもつ良さだ思いますので、本当に方向性の違いです。
ではアットリーニは?というと、本当に静かです。ただ着用者とともにあり続けるというような、ある種徹底的なアンダーステイトメントを感じます。ブリオーニとキートンは着用者の在り方に補正をかけて表現の手助けをしてくれるとすれば、アットリーニはありのままの姿を映し出してくれると言ったところでしょうか。すごく中庸的な表現になってしまいますが、ある意味素直なジャケットだと言えます。
個人的な好みはというと、実はブリオーニなんです。やはり逞しさという点では突き抜けていますし、なんとなく着ていて安心感があります。勿論甲乙つけ難い中での比較なので、ほんのわずかな好みの違いでしかありません。それに関しては千差万別だと思いますので、実際に着用してみて違いを感じてみるほかにないかと思います。習うより着るべしと言った所でしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。どのブランドも既製服の頂点と言って過言ではない素晴らしい完成度となっています。もちろん価格帯も雲上なのでなかなか入手するのが難しいかとは思いますが、古着でも状態の良いものは沢山見つかりますので、ぜひ一度全て試着してみてあなたの推しを見つけてみてください。他にもいろんな記事を書いておりますので、もしお時間ありましたらお読みいただけますと幸いです。

