“イタリア”らしい洋服の着こなしとは?現地在住者による考察

今から約3年ほど前”イタリア”に住み始めてまもない頃、このブログを始めたのと似たような動機でNoteを始めたのですが、2〜3記事を書いては三日坊主を発動してしまい、その後も超不定期更新となってしまい、継続にはいたりませんでした。

どれも中途半端な記事ですが、その中に「イタリア人の服について」というタイトルの記事があります。当時イタリアに住み始めてしばらく経った頃、実際に現地に住む人々がどのようなファッションをしているのかという事に関して思ったことを書いたものです。在住してから約3年ほどが経過して、様々な街にも訪れる機会がありました。実際中途半端さがどれぐらい変わったのかはなんとも言えませんが()今改めて素人なりに感じている事を綴っていきたいと思います。

“イタリア”の人達ってみんなオシャレなの?

ローマのとある広場。

まず最初に、当時も今も変わらずに感じているのは、イタリアだからといっても、必ずしもオシャレな人で埋め尽くされている訳ではないという事です。日本と同じように、日々の装いに敏感な人とそうでない人がいます。

例えばスーパーに買い物に行って、ビシビシにキメている人を見かける事なんてほとんどありません。街中でもそれは同じです。みんなリラックスした普段着を着ています。

違う点といえば、以前のNoteでは「あまり流行を追っている人はいない」と書きましたが、若者の中ではなんとなく傾向が分かれていて、日本とは全く違う形ではあるもののある程度人気の着こなしの雰囲気というのはいくつか存在します。

ただ、それは「街の人を歩いている人がみんなオシャレに見える」現象の説明にはなりません。ではどうしてイタリアの人たちはおしゃれに見えるのでしょうか?

それ、もしかして観光客かもよ?

観光客で溢れかえるミラノ大聖堂前の広場
観光客で溢れかえるミラノ大聖堂の前

例えば、もしあなたがイタリアの歴史ある街並みを散策すると思ったら、気分的にいつもよりも少しおしゃれして歩きたくなりませんか?

イタリアは言わずとも知れた観光産業の盛んな国です。つまり、あなたがオシャレな現地人だと思っているカフェの向かいの席の人たちもあなたと同じようにちょっぴり気合いを入れてきた観光客かも知れないという事です。

イタリアはとにかくオシャレな国として知られているので、全世界から訪れる観光客達はこぞってオシャレをする人が多いです。中でも、インスタ映えしそうな有名なランドマークの近くなんかはそういったネットでオラつきたい人たちの洪水状態です。そういった点に注目してみると、観光客を見分けるのはそんなに難しい事ではありません。

さて、オシャレな人たちみんな観光客説についてを述べましたが、もちろんそんなことはありません。オシャレなイタリア人はしっかりたくさんいます。ではなぜイタリア人がかっこよく見えるのでしょうか?

なんで”イタリア”人はおしゃれって言われてるの?

ファッションブランドが多いから?

芸術が盛んな国だから?

みんな自己表現が好きだから?

もちろん色々理由はあると思います。まず一つ目の理由として、洋服屋の感度が全体的に高い傾向にあります。例えば1万円〜3万円程度でスーツが買える、所謂街の紳士服量販店的なお店のアイテム類などが日本よりもスタイリッシュさを求めて作られていると思います。

そしてさらに興味深いのが、至る所にある個人経営の街の紳士服店のようなお店を覗いてみると、スーツとしては所謂中価格帯である400€から800€前後の「高品質なイタリア製のスーツ」がたくさん並んでいたりと、とにかく選択肢が豊富です。

例えば、それらを同価格帯の日本のスーツと比べた際に、別に縫製がどうとかコンストラクションがどうとかは大きく変わりません。ただ、大きな違いはシルエットにあります。

もちろん、決してタイトシルエット全盛期のような着丈も短くてピタピタというわけではなく、しっかり人それぞれのジャストサイズを限りなく追求しています。ただ、少し大きめか少し小さめを選ばないといけない時に、彼らは少し小さめを選ぶ事が多いです。変にオーバーサイズで着るよりは体のラインを見せる方がまだ綺麗だという発想の人が多いです。

次に、どんな洋服でもお直しする人が多いです。たとえば、上着を買う際の袖丈に関してもイタリアでは日本と比べると割としっかり直している人が多い印象です。日本の場合多くの人が購入時のままになってしまっていて、あと2センチ短ければ…と言った具合になってしまっている印象があります。

裾の長さに関してもきっちり直しています。よく「日本人より足が長いから履きこなせる」といいますが、びっくりするほどの違いがあるかというとそうでもなかったりします。ただ、しっかり直している人が多いです。

また、パンツのレングスに関して少し補足なんですが、イタリア人はやっぱりイメージ通り短めに上げてる人が全体的には多いです。そして、これも要因の一つなのかなと想像します。

僕は別に細くて股下が短いトラウザーズが好きというわけではないんですが、例えばフルレングスのハーフクッション程度の絶妙な裾って、ブレイシーズ(サスペンダー)を使わないとなかなか上手く表現できないような気がするんですよね。ガチガチに絞られたマッチョマンならベルトでもそこまで問題はないかも知れませんが、僕も含めてお腹周りがすこしソフト()な方々の場合ベルトで完全にトラウザーズを固定する事は不可能だと思います。

ということで結果的にパンツのレングスが短いと、多少ずり落ちても裾に溜まりができにくくて、結果だらしなく見えづらいという可能性はあります。人間、顔はもちろん足とか手とかの先端部分にどうしても目が逝きますからね。

また、イタリアでは比較的ブレイシーズを使ってる人が特に年配の方は多いと思います。街中でもボタン式のクラシックなやつを販売しているのを見かけますし、イタリアのユニクロ的存在のOVSでもクリップ式のものが売られています。そのため、フルレングスのトラウザーズを着ててもやたらクリースがびっしり決まっている人とかも想像より沢山います。

お店の雰囲気が違う?

イタリアは日本のスカイスクレイパーとは違って非常に古い街並みが今でも基本となっています。そのためファッションビルのようなものは少なく、個人が経営するセレクトショップが山のようにあります。

もちろん現代においてファストファッションブランドや大手サプライチェーンが非常に力を持っているのはイタリアでも同じで、全盛期に比べると数は減っているのでしょうが、それでも街を歩いているとなかなか面白いお店に出会います。

そして、イタリア人の多くは店主のセンスを信じて買い物をする傾向にあります。「なんとなくトレンドがこうだから」と服を選ぶのではなく、「彼がいうんだから間違いない」と言ったように人に対する信頼で選ぶのです。もちろん店主は審美眼が試されるので、非常にシビアな世界だとは思います。

ですが、そういった文化が洋服はもちろん、様々なジャンルにおいてセンスの良い店を育て、継承していくのかもしれません。

日本人と全く同じようなものを着てるの?

では、イタリア人も日本人と同じようなアイテムばかりを選んでいて、ただシルエットやサイズ感が違うのか?というとそういうわけでもありません。街の群衆がよく着用しているアイテムの中から特徴的に感じた物を挙げていきます。

リネンシャツ

これは非常に多いです。夏場は街中でも多くの人が着ています。基本的にみんな一枚で着て、ボタンを3つぐらい開けています。イタリアは空気が蒸し熱いというよりも日差しが痛いといった暑さをしているので、気候にもとても合っているのだと思います。あと、基本的にみんな肌が透けても気にしないので、着こなしに幅が生まれるというのもあるのかもしれません。

ホワイトジーンズ、カラージーンズ

ジーンズに限らず、日本よりも全体的に服の色が明るい傾向があると思います。もちろん日本と同じように、暗い色のパンツを履いている人も多いですが、日本よりもカラフルな色を見る機会は多いと思います。

スカーフ、マフラー類

スカーフの写真
僕も触発されてスカーフを買ってみました。

所謂真冬に巻くようなマフラーに限らず、コットンやシルク、リネンなんかのスカーフに至るまで、日本に比べて明らかに見る機会が多いです。ヴィンテージでも見つけやすいからなのでしょうかね。

ローデンコート

ローデンコートのスタイリング
ローデンコートを購入した当時に組んでみたスタイリング

これは冬のシニアたちの鉄板です。そしてほとんどの古着屋(特に北イタリア)でかなり安く売られています。日本ではあまりみなかったのでこちらに来た頃に購入して着ていたら、たまたま訪れたレストランのマスターに「若いのに珍しいね!うちの親父も来てるよ!」なんて話しかけられたこともあります。

どうやったらスタイルを真似できるの?

と問うてみるものの、実際のところ個人的にはスタイルを完全に真似するっていうのはあまりおすすめできません。結局のところ街の雰囲気がそう見せている部分も実際大きいですし、気候、言語、環境全てが違う地域の文化をただ闇雲に取り入れるのは難しいと思います。ただ一つ言えるのは、人それぞれ自分らしいスタイリングを探していくしかないのかもしれません。僕自身も自分のスタイルとはなんぞやと日々ぼんやり考える毎日ですが、ある時ふと見つけられるかもしれませんし、それを永遠に続けていくのかもしれません。どちらにせよ気長に待ちたいと思います。

今回は割とふわっとしたまとまりのない記事になってしまったかもしれません。もし何か一部分でも参考になったりしたら幸いです。また、よろしければ他の記事も読んでいただけると幸いです。

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