Music
楽譜はiPadか紙か|持ち歩く時と、勉強する時で答えが違う理由
楽譜を持ち歩くにも、IMSLPで適当に弾き散らかすにも、iPadは本当に便利です。それでも新しい曲を勉強する時は、紙を何ページも広げたい。普段のレッスンや伴奏・室内楽の本番での使い方も交えて、僕が両方使っている理由を書いてみました。
重みのある軽さと甘さの関係|ブラームス「間奏曲 Op.118-2」に見る年月と純粋な甘さに関する解釈
楽譜には「甘く」と書いてある。ところが、甘く歌おうとするほど何かが違う。ブラームス《間奏曲 Op.118-2》を、クララとの出会いから約四十年という時間を手掛かりに考えます。重みはあるのに、重たくはない。その甘さと軽さを、筆者自身の演奏経験から探っていきます。
弾き手と聴き手の陶酔の違い|ドビュッシー「月の光」に見る楽譜と陶酔に関する解釈
聴くと心地よいのに、弾くと難しいドビュッシーの「月の光」。題名の変遷やヴェルレーヌの詩、作曲者自身の演奏記録を手がかりに、楽譜と自由な表現の関係を演奏経験から考えます。
夜明け前のまどろみ|ベートーヴェン「ワルトシュタイン」第2楽章に関する解釈
「ベートーヴェン《ワルトシュタイン》の解釈について。この曲には捨てられた楽章があります。そして残された28小節の『第2楽章』は、独立した楽章か、それとも音楽的に第3楽章楽章と融合した1つの楽章として解釈する意見もあります。ピアニストの視点から、その正体と、楽章間の沈黙をどう扱うべきかを読み解きます。
奏法は理想の音を生まない?|ピアノにおけるテクニックとは何か
先生によって弾き方の説明はばらばらなのに、最後はみんな「ゆっくりさらえ」と言う。僕はそこに、自分の音を聴く時間を取るという意味があると思っています。演奏と指導の経験から、ピアノのテクニックを身につける順番について考えました。
読み終わらない楽譜|ショパン「英雄ポロネーズ」に見るアーティキュレーションに関する解釈
ショパン《英雄ポロネーズ》Op.53の楽譜には、細かなアーティキュレーションが書き分けられています。しかし、自筆譜や初版を比べると、その記譜自体にも多くの違いが残されています。長年この作品を弾いてきたピアニストの視点から、「読み終わらない楽譜」の面白さを考えます。
ピアニストが実際に使っている、作曲家別・ピアノ楽譜の版の選び方
同じ曲でも版によって音が違う事があります。原典版と実用版は何が違うのか、なぜ作曲家ごとに信頼できる出版社が変わるのか。実際に作曲家別で使っている版を挙げながら、楽譜の選び方をお伝えします。
ピアノのゆっくり練習は楽譜の拡大コピーである 遅く弾く練習の本当の意味
ピアノのゆっくり練習とは拡大コピーを取って確認、修正する作業です。写っている物が、速く弾く時と同じでなければ意味がありません。どこまで遅くするのか、遅くして何を見るのか、そして後回しにしてきた難所にどう取り掛かるのかを、実際にやっている手順としてお伝えします。
譜読みが終わるのはいつか? 譜読みのコツと楽譜の”開拓”について
譜読みが遅いと感じている方の多くは、最初から完成形を思い浮かべすぎています。譜読みとは道を開拓する作業であり、歩き方を直すのはその後の別の作業です。譜読みの終わりをどこに置くか、最初の一週間に何をするかを軸に、実際の手順をお伝えします。
暗譜が難しいのは記憶力の問題? ピアノの暗譜と”地図”について
本番で暗譜が飛ぶのは記憶力のせいではありません。ピアノの暗譜には運動・聴覚・視覚・分析の四つの記憶があり、多くの方は運動記憶だけに頼っています。暗譜が飛ぶという現象を”現在地を見失う事”として捉え直し、譜読みの段階まで遡って考察します。
技巧の先にある音楽|リスト 超絶技巧練習曲「マゼッパ」に見る速度と音楽性に関する解釈
リスト《マゼッパ》の解釈について。この曲に書かれた速度標語は「Allegro」ただ一つ、しかし、この作品はしばしば過剰に速く弾かれ、技巧だけの曲と揶揄されがちです。ピアニストの視点から、技巧の代名詞とされてきたこの作品が本当に求めているものを楽譜から読み解きます。
言葉にならない声|ベートーヴェン「テンペスト」に潜む問いかけの構造に関する解釈
ベートーヴェン《テンペスト》。その通称は本人のものではありません。冒頭のアルペジオ、再現部のレチタティーヴォ、遠ざかる終楽章。
ピアニストの視点から、この作品を貫く”問い”の構造を考察、解釈していきます。
