イタリア旅行で薬が必要になったら|薬局の使い方と日曜・夜間の探し方

旅先で体調を崩したとき、どこへ行くか

皆様こんにちは。旅行中に頭が痛くなったり、喉の調子が悪くなったり、お腹を壊したり。せっかくの旅行ですから、出来れば避けたいところですが、こればかりは予定通りにいきませんよね。僕も普段からお腹が弱いので、この手の話はあまり他人事ではありません。

イタリアで軽い体調不良や薬について相談したいとき、頼りになるのが farmacia(ファルマチア)、つまり薬局です。ただ、日本でいつものドラッグストアに行くのとは少し勝手が違います。並んでいる薬の名前も違えば、英語で話せるとも限らない。日曜や夜には、まず対応している薬局を探すところから始まります。

元気なときなら、そういった違いも海外らしくて面白いのですが、具合が悪いときにまで異文化体験をする余裕はあまりないと思います。そこで今回は、薬局の見つけ方から症状の伝え方、日曜や夜間の当番薬局まで、旅行中に知っておくと助かることをまとめてみます。

なお、薬の選び方や使い方は薬剤師・医師に直接確認してください。症状が強い場合や悪化している場合は、医療機関への相談を。息苦しさや意識の異常など、緊急の場合は112または118で救急を要請できます。受診先については外務省の「世界の医療事情・イタリア」にも案内があります。

ファルマチアとパラファルマチアの違い

イタリアの街を歩いていると、緑の十字が光っている看板を見かけると思います。あれが薬局の目印です。お店には FARMACIA と書かれているので、看板の文字も確認してみてください。

一方、よく似た名前の PARAFARMACIA(パラファルマチア)というお店もあります。こちらでも処方箋の要らない薬を購入できますし、薬剤師に相談することもできます。ただし、処方箋が必要な人用の薬は扱えません。この違いは覚えておくと良いと思います。

お店処方箋の要らない薬処方箋が必要な薬
farmacia購入できる必要な処方箋を提示して購入する
parafarmacia購入できる人用の処方薬は扱わない

ちなみに、処方箋が要らない薬にも、利用者が直接手に取れるOTCと、薬剤師を介して購入するSOPという区分があります。どちらも処方箋は不要です。旅行で使う分には、分類の名前を暗記するより、カウンターで相談できると覚えておけば十分だと思います。

薬剤師に症状をどう伝えるか

さて、薬局が見つかったら次は会話です。ここで少し困るのが言葉の問題で、特に小さな町の薬局などでは、英語だけだと話が進まないこともあります。

以前のイタリア留学で最初に困りがちなことを書いた記事でも触れましたが、イタリアはどこでも英語が通じるというわけではありません。もちろん話せる方もいます。ただ、こちらが英語を用意して行っても、相手も英語で説明できるとは限らないんですよね。

症状を伝えるときは、スマホの翻訳に頼って良いと思います。その場で長い文章を考えるより、どこがどうつらいのか、いつからなのか、すでに薬を飲んだかを短く書いておくと、見せながら話せます。

例えば、よく使いそうなのはこのあたりです。

伝えたいことイタリア語
頭が痛いですHo mal di testa.
喉が痛いですHo mal di gola.
下痢をしていますHo la diarrea.
吐き気がありますHo nausea.
昨日からですDa ieri.

無理に発音しようとせず、画面を見せても構いません。具合が悪いときにイタリア語の小テストまで受けなくていいですからね。ただ、翻訳の文章だけでは伝わりきらないこともあるので、薬剤師からの質問には、必要に応じて訳しながら答えてください。

また、誰が使う薬なのか、年齢、持病や薬のアレルギー、今飲んでいる薬も伝えましょう。妊娠中・授乳中の場合も、購入前に相談してください。

普段の薬は伝わらない?

日本で使っている薬の名前をそのまま言っても、相手が知っているとは限りません。普段の薬について相談するなら、箱や説明書の写真に加えて、成分名と含有量が英語などで分かる資料があると役に立ちます。

ここで少しややこしいのが、成分名にも呼び方の違いがあることです。例えば、acetaminophen(アセトアミノフェン)とparacetamol(パラセタモール)は同じ成分を指します。「商品名を成分名に置き換えれば世界中どこでも同じ表記になる」というわけでもありません。FDAの説明

資料は、薬剤師に確認してもらうための手がかりです。同じものが買えると決めてかからず、どの薬をいつ、どれくらい使ったかも含めて相談してみてください。

飲み方が分かるまで聞いてみる

薬を受け取ったところで、会話が無事に終わった気分になるかもしれませんが、使い方の確認も忘れずに。一回に使う量、使う間隔、一日に使える回数、何日間使ってよいかなど、必要な説明を受けてください。聞き取れなければ、紙に書いてもらうと後で見返せます。

同じブランド名でも、成分の量や薬の形が違うことがあります。箱の数字や大きさから効き目を想像したり、日本で飲んでいた薬と同じ錠数で使ったりせず、手元の薬について確認しましょう。

分からないところが残ったら、もう一度聞いて良いと思います。帰ってから箱を眺めて悩むより、その場で教えてもらうほうが安心です。

日曜や夜は「当番薬局」を探します

イタリアの薬局には、昼休みがあったり、日曜が定休日だったりするお店もあります。必要になってから行ってみたら閉まっている、ということもあるわけです。ですが、通常の営業時間外にも薬を受け取れるよう、地域で当番を組む仕組みがあります。

これが farmacia di turno(ファルマチア・ディ・トゥルノ)、日本語でいう当番薬局です。近所の薬局が毎晩営業しているという意味ではなく、その日時に担当している薬局を探すことになります。

その日の当番を確認する

ネットで探すなら、「farmacia di turno + 街の名前」で検索してみてください。地域の保健当局や薬剤師会、薬局団体などが当番情報を公開しています。

気をつけたいのは、検索で出てきた一覧の日付です。今日の当番なのか、今の時間に対応しているのかを確認しましょう。閉まっている薬局の入口にも、当番の店名や連絡先が掲示されています。

宿泊先で困った場合は、ホテルのフロントに探すのを手伝ってもらうのも良いと思います。場所や電話での確認をお願いできれば、慣れない町で何軒も歩いて回らずに済みます。

当番なのに閉まって見えることがある

ここは知らないと戸惑うと思います。当番薬局は、いつも扉を開けて営業しているとは限りません。入口が閉まっていて、呼び鈴やインターホンで薬剤師を呼ぶ形もあります。

案内に a battenti aperti とあれば扉を開けての対応、a battenti chiusi とあれば扉を閉めての対応を指します。また、地域や薬局によっては、掲示された番号へ電話して薬剤師を呼び出し、到着を待つ場合もあります。ボローニャの保健当局でも、この呼び出し方式が案内されています。当局の説明

閉まった扉の前で「やっぱり休みか」と思ってしまうのも無理はないですよね。当番として案内されている薬局に着いたら、まず入口の掲示を見て、どう連絡するのか確認してみてください。

なお、時間外の呼び出しでは、薬代とは別に diritto di chiamata(呼び出し料)がかかる場合があります。対象になる時間帯や条件は、利用する薬局で確認してください。薬代以外の費用もあり得る、と知っておくと会計の際に戸惑わずに済むと思います。

日本から持っていくなら、普段使っているものを

ここまで薬局の話をしてきましたが、個人的には、普段使っている常備薬は日本から持ってきておくと良いと思います。特に、自分が旅先で困りやすいことが分かっている場合ですね。

僕の場合はお腹です。以前の持ち物の記事でも、胃腸薬を家に常備している話を書きました。使い方が分かっているものを手元に用意しておけると、具合が悪くなってから慣れない言葉で一から説明する負担が減ります。

もちろん、いつもと違う症状や長引く不調まで、手持ちの薬で済ませようとする必要はありません。常備薬を用意しておくことと、現地で相談できる場所を知っておくことは、両方やっておくと良いと思います。

常備薬のほか、虫刺され対策や旅行中に使う小物については、イタリア旅行に日本から持っていくと便利なアイテムの記事でも紹介しています。荷造りの際に、あわせて覗いてみてください。

持病の薬は、出発前に相談を

継続して飲んでいる薬がある方は、旅行の日程をかかりつけ医に伝えて、持参する量や必要な資料を相談しておきましょう。外務省も、イタリア旅行では常備薬の持参を勧めています。薬によって持ち込みの条件があるため、その点も出発前に確認してください。

EUには加盟国間で処方箋を使うための仕組みがありますが、日本で発行された処方箋は、その相互承認の対象には含まれません。日本の処方箋を持っていけば、そのまま同じ薬が買える、という前提では準備しないほうが良いです。

処方内容が分かる英文の資料などは、現地で医師や薬剤師に相談するときの助けになります。もし薬が足りなくなりそうなら、早めに相談を。受診先が分からない場合は、加入している旅行保険の窓口や宿泊先に、医療機関の案内をお願いしてみてください。

元気なうちに近くの薬局をチェック

旅行の準備というと、レストランや美術館、買い物の予定を考えるほうが楽しいですよね。薬局の営業時間を調べてわくわくすることは、正直あまりないと思います。

ですが、体調を崩してから見知らぬ町を歩いて探すのは、なかなかしんどいです。ホテルの近くを散歩しているときに、薬局の場所と営業時間を見ておく。普段の薬の情報を、スマホに入れておく。そのくらいの準備なら、旅の楽しみを邪魔することもありません。

せっかくの旅行ですから、出来れば薬局のお世話にならずに過ごしたいところです。それでも必要になったら、無理をせず相談してください。予定していた場所を全部回れなくても、まずは元気に帰れることが一番だと思います。

干梅 太郎

イタリア在住のピアニスト。クラシック音楽と、イタリアの古い服について書いています。
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