イタリアでのユニクロの存在感って? 在住者が考える立ち位置と値段の関係

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皆様こんにちは。普段はコアな洋服の話ばかりをしているので、たまには違ったことも書いてみようかと思い、今回はイタリアでのユニクロの立ち位置についてお話してみたいと思います。ただ先に書いておくと、僕自身は普段ユニクロで服を買うことはあまりありません。ただ、スーピマコットンのTシャツなどは正直値段の割にすごい思っていますし、キャラクターのTシャツなどは喜んで買っています。

そんな僕から見ると、イタリアでのユニクロは、所謂日本で思い浮かべる「普段着の店」という印象より、少し都会的な普段着という感じがします。僕の中ではイタリアにおいては無印良品も近い位置にある印象があります。同じユニクロなのに、周りのお店と並べて考えると少し印象が違う。そのあたりを、洋服好きの一人として考えてみたいと思います。

イタリアの普段着とユニクロ

2026年9月20日に確認した公式の店舗案内では、ユニクロの実店舗はミラノとローマに2店ずつあります。イタリア向けのオンラインストアもあります。

僕もミラノのドゥオーモに近いコルドゥージオ店には行ったことがあります。店に入った感じは、日本のユニクロと特に変わりませんでした。ちなみに、たまたまコラボをやっていたmofusandのUTを買いました。

ただ、比べる相手をこちらの普段着のお店に変えると、少し印象が違います。例えばOVS。以前、イタリアの洋服の着こなしについて書いた記事で「イタリアのユニクロ的存在」と呼んだお店です。身近な普段着を売るという役割は似ていても、店の雰囲気まで同じというわけではありません。さらに、H&MやZARAはもちろん、 Terranova 、 Alcott 、 Primark などのイタリアに展開している他のファストファッションブランドと比べると、ユニクロにはより整然とした雰囲気があり、たとえ日本で見慣れたお店であったとしても、少し新鮮に感じるかもしれません。

ちなみに、僕は普段からOVSで買うわけではないのですが、興味本位でニットを一枚買ったことはあります。ただ、これがなんとなくだぶつくんですよね。サイズは合っているはずですし、丈が長いという感じでもありません。シルエットなのか何なのか、うまく説明しきれないのですが、着ると気になります。他のブランドではあまり起きないので、日本人とイタリア人の体型の違いだけでもなさそうです。

日本の値段を知っているとやっぱり高い

ユニクロの話に戻ると、日本との違いを一番分かりやすく感じるのは値段です。

例えば「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ/5分袖」。2026年9月17日に確認した税込価格は、日本の商品ページでは1,990円、イタリアの商品一覧では同じモデルが19.90ユーロでした。同日のECBの参考レート、1ユーロ=178.75円で換算すると約3,560円。この一品では日本の約1.79倍になります。

「ユニクロのTシャツに3,500円以上か」とは思ってしまいますよね。セールや為替で変わる数字ですが、日本の値札を覚えていると、やっぱり高く感じます。

ただ、こちらで初めてユニクロを買う人が比べるのは、日本の値札ではなく、他のお店にある19.90ユーロ前後の服でしょう。僕は日本の値段を覚えているから高いと思う。そう考えると、値段の話にも随分と自分の事情が入っている気がします。

何も足さない服が、かえって新鮮に見える

値段の話から離れると、イタリアでユニクロを少し都会的に感じる理由は、その「引き算」にあるのだと思います。

イタリアで暮らしていると、日本より明るい色の服を目にする機会が多いと感じます。色や柄、体の線の見せ方にもそれぞれ好みがあって、同じような普段着でも、服の表情が違うと感じることがあります。

その中でユニクロの無地の服を見ると、あまり主張をしないところが、かえって一つの好みに見えるのです。大きなロゴを見せるわけでもなく、装飾で目を引くわけでもない。日本では見慣れすぎて意識しなかった素っ気なさが、こちらでは少し落ち着いた、整った服に見える。僕が「都会的」と言いたくなるのは、このあたりなのだと思います。

イタリアにおける無印良品にも同じような感覚を覚えるのも、あまり飾らずに普段の格好を整えたい時の服、というところです。品質の順位をつけたいわけではなく、僕から見るとそういう趣味のお店に見えます。

調べてみると、2024年にミラノのADIデザインミュージアムで開かれた「ORIGIN of SIMPLICITY」という展覧会にも、ユニクロはパートナーとして参加していました。日本のデザインのシンプルさを扱い、会場構成とグラフィックを原研哉さんが手がけた展覧会です。日本では見慣れている普段着が、こちらでは日本のデザインの話にもつながっている。こういう紹介のされ方は面白いと思います。

ただ、ユニクロには2022年のマルニとのコラボレーションのように、はっきりした色や柄の服もあります。「引き算」と感じているのは、無地のTシャツやニットを見ている時の話なのだと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。日本の値段を知っていると高く感じるイタリアのユニクロですが、周りのお店と並べて見ると、僕には少し上等な普段着のお店に見えます。ミラノの店に入っても日本と大きく違うわけではないのに、普段着としての見え方は少し違う。日本では見慣れている、あまり飾らない服や整然とした雰囲気を、こちらに来て改めて意識したのかもしれません。

とはいえ、そんな話をしている僕自身、普段ユニクロで服を買うことはあまりありません。ただ、ちいかわやモフサンドのTシャツなら買いたくなります。無地の服について色々と書いてきましたが、自分が欲しくなるものはまた別なんですよね。

干梅 太郎

イタリア在住のピアニスト。クラシック音楽と、イタリアの古い服について書いています。
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