皆様こんにちは。当ブログでは革靴ばかり紹介いますが、実は僕もこれまで色々なスニーカーを履いてきました。ConverseのChuck TaylorやVansのAuthenticといったキャンバススニーカーの定番から、adidasのStan Smith、New BalanceのM1400、Onitsuka Tigerの上位モデルまで。決してスニーカーに詳しい人間ではありませんが、代表的なものには一通り足を通してきたと思います。
しかし、現在の僕が日常的に履いている靴は、ほとんどが革靴です。そしてスニーカーについては、結局Supergaの白いキャンバススニーカー一足に落ち着きました。
最も高性能なわけでも、最も履き心地が良いわけでもありません。それでも残ったのは、この靴が革靴では代わりの利かない役割を、ちょうどよく担ってくれるからです。
今回は「イタリアのスニーカー」と聞いて、真っ先に名前が挙がるブランドの一つ。Supergaの2750キャンバススニーカーを紹介させていただきます。
Superga 2750 Canvas Sneakers

Supergaは1911年、スイス出身の技術者Walter Martinyによって、トリノで創業しました。当初は“Walter Martiny Industria Gomma”という会社名で、長靴をはじめとする加硫ゴム製品を製造していました。工場があったのは、トリノ郊外にあるスペルガの丘の麓です。
1925年、テニスを好んだ妻のために、Martinyが加硫ゴム製ソールを備えたテニスシューズを製作します。これが現在まで続く、ブランドの定番モデル“2750”の原型になりました。
現在の2750も、コットンキャンバスのアッパーに、加硫ゴム製のソールという極めて単純な構造です。裏地はなく、アルミニウム製のアイレットに白いコットンシューレース。誕生から約100年が経っても、基本的な姿は大きく変わっていません。
今回紹介する一足も、白いキャンバスと白いラバーソールを組み合わせた、Supergaを象徴するようなスニーカーです。
デザインとして特別なことをしているわけではありません。むしろ、何もしていないことに価値がある靴だと思います。
一番ではないけれど、十分に心地よい
履き心地については、同じキャンバススニーカーであるConverseのChuck TaylorやVansのAuthenticよりも、個人的にはSupergaの方が良く感じます。
もちろん足との相性やモデルによる違いはありますが、Chuck TaylorやAuthenticには、ソールが平面的で地面をそのまま踏んでいるような感覚が若干あります。
Supergaも本格的なランニングシューズのようなクッション性を持っているわけではありません。それでもソールには適度な厚みがあり、街中を歩く靴としては十分に心地よい。
感覚的に近いのは、adidasのStan Smithでしょうか。アッパーの素材や構造は違いますが、日常靴として過不足のない履き心地という点では、似た位置にいるように思います。
一方、New BalanceのM1400や、Onitsuka Tigerの上位モデルと比較すれば、流石に及びません。クッション性や足の支え方など、履き心地を目的として作り込まれたスニーカーには明確な差があります。
つまりSupergaは、僕が履いてきた中で最も快適なスニーカーではありません。しかし、日常生活で不満を感じない程度には心地よく、それ以上に服へ合わせやすい。そのバランスの良さが、この靴を手元に残した理由です。
革靴では作れない軽さ
革靴を中心に服装を考えていると、カジュアルな日にもローファーやスエード靴を選びたくなります。実際、それらはスニーカーよりも端正で、ジャケットやトラウザーズにも合わせやすい靴です。
ただ、どれだけ軽快なローファーであっても、革靴であることには変わりありません。革の艶やコバ、ヒールによって、足元には一定の緊張感が残ります。
白いキャンバススニーカーが持っているのは、その緊張感を取り除く力です。
単に重量が軽いという話ではありません。服装全体の印象を軽くし、少しくらい力を抜いてもいいのだと思わせてくれる。これは革靴では完全に代用できません。特に春夏には、明るい色のコットンパンツやデニム、軽いジャケットとの相性が良く、白いキャンバスが装いに自然な抜けを作ります。
また、秋口にも意外と重宝します。ニットや少し厚手のトラウザーズによって服装が重くなり始める時期に、足元だけを白く軽くする。その役割を担える靴は、決して多くありません。雨や真冬には向きませんが、春から秋までの長い期間をカバーしてくれる一足です。
クラシックスタイルにも必要なスニーカー

クラシックスタイルが好きだからといって、常に革靴を履かなければならないわけではありません。むしろ、すべてを革靴で成立させようとすると、服装が必要以上に堅く見えることがあります。
その点、Supergaはもともと1925年に生まれたテニスシューズです。現代的なハイテクスニーカーとは違い、キャンバスとラバーだけで作られた簡素な姿には、スポーツウェアが日常着へ取り込まれていった時代のクラシックさがあります。
大きなロゴや複雑なパーツもなく、形も極端ではありません。そのため、古い服やテーラードジャケットの雰囲気を壊さず、足元だけを自然にカジュアルダウンしてくれます。
革靴の代用品として履くのではなく、革靴では作れない軽さが必要な日に履く。そう考えると、白いキャンバススニーカーもまた、クラシックなワードローブに欠かせない一足なのだと思います。
スニーカーはこれ一足に落ち着いた
New Balanceの方が長時間歩くには快適ですし、Onitsuka Tigerの上位モデルには、日本製らしい丁寧な作りがあります。Chuck TaylorやVansのAuthenticにも、それぞれの文化的な背景と格好良さがあります。
それでも僕の場合、普段の基本は革靴です。
スニーカーに革靴と同じだけの種類や役割を求めているわけではありません。革靴では対応できない、気軽さと軽さを補ってくれる一足があればいい。その役割に最も過不足なく収まったのが、Supergaの白いキャンバススニーカーでした。
目立ちすぎず、服を選びすぎず、履き心地にも大きな不満がない。何か一つが突出しているのではなく、必要な要素がちょうどよく揃っています。
色々なスニーカーを履いた末に、最も基本的な一足へ戻ってきたというのも、なんだか面白いところです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。約100年前にテニスシューズとして生まれ、現在ではイタリアの日常靴として定着しているSupergaの白いキャンバススニーカー。
履き心地だけを比較すれば、より優れたスニーカーは他にもあります。しかし、革靴を中心としたワードローブに、気軽さと軽さを一つだけ加える靴としては、非常に完成度の高い存在です。
春夏には装いを軽くし、秋口には重くなり始めた服装へ抜けを作る。クラシックな服にも馴染みながら、革靴では補えない役割をきちんと果たしてくれます。色々と履いた結果、スニーカーはこの一足に落ち着きました。
当ブログでは革靴を中心に紹介していますが、今後も実際のワードローブに欠かせない靴や服について、新旧を問わず書いていきますので、お楽しみいただけますと幸いです。






